― なぜコスモポリタン株式会社を創業したのか?
20代でアメリカ留学した際に、国境や人種の壁を実感したのが私の原体験です。リアルな民主主義、多様性、そして人種差別を肌で感じた瞬間など、今まで知らなかった現実を目の当たりにし、悔しくて悔しくて、自分の無力さに枕を濡らす夜も少なくありませんでした。これはアメリカに限らず日本においても言えることですが、人間は元来、自由で、幸せを得る権利を誰もが持っているはずなのに、社会構造によって阻害される社会が存在します。この社会構造は、政治や司法によって作り上げられているようにも見えますが、政治や司法を動かしているのは、その土地に根付いた歴史・文化、そして国民一人ひとりの心です。一人ひとりの心が変われば、世界は変えられると私は信じています。私たちそれぞれはほんの小さな力しか持っていないかもしれませんが、決して無力だと嘆くのではなく、少しでも可能性を持つ微力に賭けてみたくて、少しでも社会をよくできるはずと信じたくて、この会社を作ったのかもしれません。
ー どうしたら自由を得られるようになると考えるか?
自由とは、「選べること」であると考えます。物事を1~10まで知っている人と1~100まで知っている人では、選択肢の数が圧倒的に違います。自ら考え、選べるということが自由であることの条件であり、そうなるためには、自ら考える地頭を持つことと、選択肢を広げることだと思っています。現在の社会では、自ら選んだ選択ではなく「選ばされた」「これを選ばざるを得ない状況だった」ということも多く起こっている現象だと思いますが、もしかしたら、「選べなかった」という状況を自ら「選んでいた」という可能性すらあります。特に現代の日本においては「選べる」ということを知らない人が多すぎるのです。私たちは、自分が知らない世界にまだまだ選択肢があるということを多くの方々に知ってもらうために、すべてのサービスを展開しております。
ー どうしたら幸せになれるのか?
それは私にも分かりません。笑 なぜならば、価値観は人の数だけ存在し、何に幸せを感じるかは、十人十色、千差万別だからです。ただ、それぞれの幸福度を決定づける要因として、環境の重要性は強く感じております。つまり、「誰と一緒にいるのか」「どこで過ごすのか」によって、あなた自身が形成されるため、どんな環境に身を置くかという選択は、人生において非常に重要な選択であると考えます。人生を変えるための最も効果的な方法は、環境を変えることだと思っています。今いる場所で生きていけなければ自分は生きていけないと思い込んでいる人は多く存在すると思いますし、自分が知っている世界だけが世界のすべてだと錯覚している人も少なくありません。私も、多くの国々で、たくさんの出会いを頂く度に実感するのは、まだまだ世界は広いということ。そして、自分は何を知らないのかも知らないくらい、知らないことがまだまだ世界にはあるということです。私たちのサービスを通じて、多くの人に今まで知らなかった世界を知っていただき、本当に自分が身を置きたい環境を見つけていただくお手伝いが出来たらと、思っています。
ー この会社をやっていて良かったと思う瞬間は?
色んな人に会えることが一番ですね。人との出会いを通じて、多種多様な価値観に出会えることが私にとって大きな喜びです。そして、人種を超えて「ありがとう」と言えるとき、この仕事をやっていてよかったなぁと思います。それは、海外の技能実習生が日本の企業さまのもとで本当に良い経験ができた時も然り、これまで選択肢になかった国の不動産を購入して喜んでもらえた時も然り、海外進出のお手伝いを通じて国内企業さまにも現地の方にも喜んでいただけた時もそれにあたります。人種は違えど、感謝で繋がれる関係をこれまで構築できたことは、私にとって何よりの人生の財産かもしれません。
ー 人との付き合う上で意識していることなどは?
如何に私が自己表現をするか、そして相手に自己表現をしてもらうか、を意識しています。現代社会は非常に窮屈で、裏表や、本音と建前みたいなのものがありますが、出来る限り本音だけで付き合いたいと思っています。私も元来、気を使いがちな性格のため、昔は、建前を重んじて偽物の自分を演じていた時期もありましたが、そういうのは出来る限り辞めようと思っています。もしこれを読んでくださっているあなたとも、いつかご縁をいただくことが出来たなら、遠慮なく思ったことを言いたいなと思いますし、逆にあなたにも、着飾らないあなたのまま、あなたを表現してほしいなと思います。
ー 今後の展望について
「色んな事業を手掛けているね」と言われることがよくあるのですが、確かに手掛けている事業の種類は様々ですが、やっていることはひたすら「橋渡し」です。未知の世界や、未知の選択肢と繋げる橋渡しが私たちのミッションでもあり、それが留学斡旋になったり、海外労働者派遣になったり、インバウンド支援になったり、海外進出支援になるなど形を変えるだけで、やっていることはずっと「橋渡し」です。そういう意味では、これからも変わらず「橋渡し」をやっていくのだと思います。また、ビジネス以外の活動になりますが、私自身、うつ病で悩まされた経験がありまして、同じように心の病で苦しんでいる人たちの助け合いネットワークが作れるようなNPO法人を作れたらいいなとも思っています。きれいごとのように聞こえるかもしれませんが、ビジネスやNPO活動を通じてどれだけ社会貢献ができるかが、私の残りの人生をかけたテーマでもあります。